私は取り戻した
ビデオテープを
おじさんタレントに差し出した。
おじさんタレントはその
ハメ撮りビデオテープを、安堵の表情で大事そうに手に取って不機嫌な私に
「もう、どんなことがあっても他人に渡したり、見せたりしないから!ありがとう!」
と反省と感謝の言葉をかけた。
その後も
おじさんタレントは、不機嫌そうな私をなだめようと、芝居じみた反省のそぶりをみせながら、私に感謝の言葉をいくつも並べ立て、頭を下げた。でも、うわべだけ、口先だけ、のど元過ぎればなんとかで、本当に懲りない人だと分かっている。簡単に人を
裏切る人だと分かっている。
だから私は、
ハメ撮りビデオテープを内緒でダビングし、一本を私が保管し、もう一本を
おじさんタレントの目の前で火をつけて燃やした。
燃え落ちる
ハメ撮りビデオテープを
おじさんタレントは、名残惜しそうに、じっと見ていた。
私は自宅に戻り、内緒でダビングした
ハメ撮りビデオテープをいざというときの切り札として、大切に保管することにした。